クーラント交換
夏前にクーラントを交換する予定だったのが作業場がコロナ禍で使えなくて今頃になってしまいました。今回使用したクーラントの主成分は国内で一般的に流通しているエチレングリコールではなく、プロピレングリコールです。これは欧州車には一般的によく使われているもので、熱交換性能や潤滑性能等で優れる特徴があります。都内に引っ越すまで欧州車に乗っていたので余ったクーラントをバイクに流用していましたが、今は手放しちゃったので別途購入した次第です。
また、プロピレングリコールのメリットとして毒性が低いという点も挙げられます。クーラントはオイル同様、環境中に放出してはいけないのですが、コケてラインやラジエーターを潰してしまったり、オーバーヒートで沸いたりなどオイル以上に漏出させるケースが多く散見されるので選べるならば…ってな具合です。まぁ、お気持ち程度ではありますが。(ちなみにプロピレングリコールは食品添加物に使われてたりするので安全な部類)
以下、MT07のクーラント交換の手順
①暖機運転して80~90℃くらいまで水温を上げる(注:上げすぎない)
②ラジエーターキャップの回り止めのM2.5のネジを外す
③ヤケドに注意しながらラジエーターキャップを外す
④車体右側下部に2本あるパイプの下にあるドレンボルトを緩める
ドレンボルトは画像中央のもの。頭は8㎜
⑤車体を垂直に立てて排出(概ね1.5~6リットルほど排出)+車体右前下部にあるリザーバータンクを外して内部のクーラントを排出(0.2リットル程度)
⑥クーラント中に錆やゴミ、油等が混じってないかチェックする。リザーバータンクの洗浄中に底にゴミが溜まっていないかチェックする
⑦ドレンボルトを軽く締め、ラジエーターキャップ側から水を注いでエンジンを始動してフラッシング(ドレンボルトの本締めの指定トルクは7Nmなのでそれ以下)
⑧⑦を数回繰り返す
⑨新しいドレンボルトとガスケットを取り付ける(締め付けトルクは7Nm)
⑩新しいクーラントを注いでラジエーターキャップを開放したままエンジンを始動して循環させ、エア抜きで液面が下がったら補充する
⑪リザーバータンクに新しいクーラントを注ぐ
⑫ラジエーターキャップを締めてファンが回るまで暖機(または走行)
⑬車体が冷えたのを確認してから、ラジエーターキャップを開けて液面が下がっていたら補充する。(リザーバータンクの液量も確認する)
補足:ラジエータキャップは経年変化によってゴムシールが劣化してひび割れなどが生じてクーラント漏れ(または蒸気漏れ)が発生することがあるので要点検ポイント